どっちでもいい。 夕暮れはあかい。 足元の川にこぼれる肉片、 どっちでもいい。 滴る血はあかい。 僕らの短い爪と鼻の先の、 背中。 黒い森の暮れ方に燃える、 僕らには聞こえない愛を叫びながら。 燃える。燃え上がる。 けれど熱くはないから、 僕らはそれを剥ぐ。簡単に。 その中の肉が、 旨い のだ。 どっちでもいい。 生命は美しいか、 生命は汚いのか。 どっちでもいい。 鮭は何かの比喩であるか、 夕空の赤は血の赤よりも残酷か。 僕は川に入り、捕まえて、食う。 こぼれ落ちる肉片と、 滴る血。黄昏の空はすでに涼しく、 僕は川に入り、捕まえて、食う。その度ごとに、 何を思ってか、黒い森の四方から、 けたたましく湧き上がる人間の嬌声。 |