このことばが やさしくとぎれていく あたりに わたしたちのめぶく みえないはるがある うたうことはいつも うたえないことをかかえたまま よじれて きえる きのかげがだんだんみじかくなる いつか なつかしいこのほそみちのうえ だれもしらない さくらがさけばいい わたしたちの ぱらぱらとのこしたくつのあとから だれかがまた あたらしいドアをあければいい 「卒業」 とつぶやく なもないむすうのはなびらの うた そのうたの かぜにのってまい まいながらそらにみちてゆく あたりで |
2004年2月9日月曜日
2004年2月1日日曜日
まじめな恋愛詩の試み 3
終電 終電の中でふたり 拒食症の話をしつづけた 酒に酔って道に迷い 笑った 白砂の胸元に はぐれた鴎が足跡をつけていた か、どうか 酔っていたので思い出せない 挨拶はいつも ごめんくださいで終わっている 犬のような笑顔になって 曖昧さの中で 蹴られる あくまでやさしい やさしい終列車に乗ったまま もう どこにも行けないから 窓をもっと閉めてください とは 言えない あの晩 靴にへばりついたガムは 満月のようだった 遠い海鳴りのする夜のさなかに 沈没する胃袋にぼくはなりたかった ごめんください 「まじめな恋愛詩の試み」は、とりあえずここで終了。なお、このシリーズには一応のモデルがいたのだが、今回も例によって実話に相当の加工をしたので、事実上そのモデルは架空の人物であるのと等しくなってしまった。よって、オフラインでの僕を知る人も、余計な詮索したって無駄なんです。 |
まじめな恋愛詩の試み 2
学生食堂 うつくしさのあまり 歌手になってしまったジェニファーと いかつさのあまり 下駄箱にまちがえられるナンシーとの あいだで ぼくらは一日 思春期についての話をしよう 僕らの肌を刺したあらゆる法のことを あるいは刺さなかった儚い現実のことを 平凡に ぼくらは戦争にいくだろう 春の重さなんて忘れたままで ジェニファーもナンシーも しずかな炭になるだろう もはや誰も振り返らない夕空の 色の足りない虹みたいに だから いまはただ つまらないこの詩を うたう パインを頬張る明日があるように 乾いた唇と 青ざめた 喉で 平凡すぎる学生食堂の昼食は ジェニファーと ナンシーとのあいだで 今日も下駄箱を横倒しにする ぼくらは話しつづけているだろう まるでいつかのファーストキスのような 他愛ないうそをつきながら 下駄箱にまちがえられる女の子というのは、どなたかの漫才で使われていたネタです。 |
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