2004年5月19日水曜日

習作 あおい


少女は大人になるだろう。
映らない夜の森の数だけ、
鈍く育っていく歯車の軋み。
肉の茂みは埋められていき、
紫に横切る麝香のバスタオルで、
少女の頬が刀のようにかなしい。
ほほえんでみせても、
その目は既に月蝕を灯してさもしいから、
銀のスプーンを手に、
母が二人で待ちつづけている。
映らない夜の水面のこちらがわ、
皿の割れないじっとたえている。