2004年1月18日日曜日

一篇の恋愛詩を書くために


一篇の恋愛詩を書くために
俺はアダルトビデオを借りにいく
まっすぐに伸びるあたたかな言葉
が、見当たらず
遠くまで
歩いてビデオを借りにいく

薄暗い部屋の中で
ひとり、明るく繰り返されていく映像
その中で
伊東怜がはにかんでいる

「え? ……ふふ、うさぎちゃんを殺すの」
「え? ……ふふ、うさぎちゃんを殺すの」

光と一緒に消費されていく
何回も見る
うさぎの頭になっている


いつの頃からか
見えない時計を片手に提げて
迷い込んでいた
俺は繰り返されていた
痛みを忘れた画面の上で
誰かと二人
報われない旅をつづけ
出口を失くした旅をつづけて

検索する
けれど名前を思い出せない


一篇の恋愛詩を書くために
俺はアダルトビデオを借りにいく
いま、この唇でもつぶやける
そんな言葉を探している

一篇の恋愛詩を書くために
俺はアダルトビデオを借りにいく
繰り返されていく映像の
伊東怜の、はにかみを
何回も見つめ
何回でも見つめ

その中に
見つけ出そうとする
俺の頭を
あの人の指先を
思い出せない肌の白さを
言い表すための

 まはだかな あなた

を。