2004年1月11日日曜日

ムスメノミウリ

商売できるでしょうか?
二人で出かけて一人で帰ってきた。
故郷の壁は動揺し、
空は無惨に流れ続けた。

商売できるでしょうか?
七つの子どもたちは流氷に乗って去った。
いかめしい鬼瓦に腰かけて、
不審げに見つめてくるうらぶれた太陽。

かつて、遠いあの街で、
一つの海が沈み、塔が隆起した。
何一つとして取り締まらないための、
まがいものの塔。その影の先で、
現れるために隠され、
自ら嘲笑を纏いながら、
わたしたちは流通した。終わる所なく。
他人の朝の、明るい皿の上で、
姉が塩になった。
姉が塩になった。

商売できるでしょうか?
裏切り者の、命ある者の、
恋路をたどった果てでの帰郷。
商売できるでしょうか?
何もかも失って、まだ、
わたしは故郷で今度こそ生きたい。


うつろな壁になった家々の間で、
いま、現れるために現れていくもの。
しずかに開いていくわたしの生殖器。
おさないままの、あたたかな夜の海辺で、
姉よ。なつかしい子どもたちよ。
別れても、残ることを選んだわたしが、
ほら、力一杯この手を振る。
いなくなったあなたたちにむけて、
ここで何度もおかえりを言う。

 生み直しながら、
 生きています。
 おかえりなさい。

 生まれ直しながら、
 生きています。
 おかえりなさい。