| 商売できるでしょうか? 二人で出かけて一人で帰ってきた。 故郷の壁は動揺し、 空は無惨に流れ続けた。 商売できるでしょうか? 七つの子どもたちは流氷に乗って去った。 いかめしい鬼瓦に腰かけて、 不審げに見つめてくるうらぶれた太陽。 かつて、遠いあの街で、 一つの海が沈み、塔が隆起した。 何一つとして取り締まらないための、 まがいものの塔。その影の先で、 現れるために隠され、 自ら嘲笑を纏いながら、 わたしたちは流通した。終わる所なく。 他人の朝の、明るい皿の上で、 姉が塩になった。 姉が塩になった。 商売できるでしょうか? 裏切り者の、命ある者の、 恋路をたどった果てでの帰郷。 商売できるでしょうか? 何もかも失って、まだ、 わたしは故郷で今度こそ生きたい。 うつろな壁になった家々の間で、 いま、現れるために現れていくもの。 しずかに開いていくわたしの生殖器。 おさないままの、あたたかな夜の海辺で、 姉よ。なつかしい子どもたちよ。 別れても、残ることを選んだわたしが、 ほら、力一杯この手を振る。 いなくなったあなたたちにむけて、 ここで何度もおかえりを言う。 生み直しながら、 生きています。 おかえりなさい。 生まれ直しながら、 生きています。 おかえりなさい。 |