2004年4月14日水曜日

ありふれた朝


正しくない朝などあっただろうか。
世界の学生食堂に、
しずかな喪服が満ちていく夜明け。
白々しい沈黙と、
小さく鳴り続けている食器の音を、
ひかりと呼んで、
わたしは旅立たない。

正しくない朝などあっただろうか。
夜が眠らす鉄と羽とを、
さらに深くまで眠らせていく行為。
森のつぶやきの中で、
それは常に成功し、かつ失敗するから、
わたしは目覚めている。
返り血は既に乾いた。

誰も見えない道の上、
空腹は絶望ではなく佇んでいる。
どこかで風が冷えていき、
満ちる海さえないままに、
朝が昼になる。
音がとぎれず忘れられていく。

裸足で踏んでいく真実のやらかさ。
やがて家に着くまでの、
引き伸ばされた、角(かど)。

正しくない朝などあっただろうか。
歴史はしずかに微分され、
あらゆる若さがマナーの席に着く。
正しくない朝などあっただろうか。
射抜かれた鳥たちの骨と肉は消えた。
駆けるもののない空を、
鉄の昏睡と、
わたしの呼吸だけが明けさせていく。

ここでは誰も生きていない。
ここでは誰も死んでいない。
昨日殺したのが一体何なのか、
それさえも思い出さないまま、
無表情なざわめきの中、
ひかりは果てる。

この朝に、
向かう先はない。