2004年2月1日日曜日

まじめな恋愛詩の試み 3



   終電


終電の中でふたり
拒食症の話をしつづけた
酒に酔って道に迷い
笑った 白砂の胸元に
はぐれた鴎が足跡をつけていた
か、どうか
酔っていたので思い出せない

挨拶はいつも
ごめんくださいで終わっている
犬のような笑顔になって
曖昧さの中で
蹴られる
あくまでやさしい
やさしい終列車に乗ったまま
もう どこにも行けないから
窓をもっと閉めてください
とは
言えない

あの晩
靴にへばりついたガムは
満月のようだった
遠い海鳴りのする夜のさなかに
沈没する胃袋にぼくはなりたかった
ごめんください


「まじめな恋愛詩の試み」は、とりあえずここで終了。なお、このシリーズには一応のモデルがいたのだが、今回も例によって実話に相当の加工をしたので、事実上そのモデルは架空の人物であるのと等しくなってしまった。よって、オフラインでの僕を知る人も、余計な詮索したって無駄なんです。
また、「まじめな」については、「1」を参照してください。