終電 終電の中でふたり 拒食症の話をしつづけた 酒に酔って道に迷い 笑った 白砂の胸元に はぐれた鴎が足跡をつけていた か、どうか 酔っていたので思い出せない 挨拶はいつも ごめんくださいで終わっている 犬のような笑顔になって 曖昧さの中で 蹴られる あくまでやさしい やさしい終列車に乗ったまま もう どこにも行けないから 窓をもっと閉めてください とは 言えない あの晩 靴にへばりついたガムは 満月のようだった 遠い海鳴りのする夜のさなかに 沈没する胃袋にぼくはなりたかった ごめんください 「まじめな恋愛詩の試み」は、とりあえずここで終了。なお、このシリーズには一応のモデルがいたのだが、今回も例によって実話に相当の加工をしたので、事実上そのモデルは架空の人物であるのと等しくなってしまった。よって、オフラインでの僕を知る人も、余計な詮索したって無駄なんです。 |