著者 あをの過程
モルヒネ苦しまずに、死ぬことができる。といっても。生きている僕らには。死ぬ苦しみなど、わかるはずもなく。たくさんの死が。閉じ込められる部屋の中。白い、白い医者が。点滴の入れ換えを、指図している。既に動かなくなった祖父。打ち込まれるモルヒネは、遅すぎて。長かった苦悶を終え。最後の踏ん張りを見せようとする者の。足をすくう。悔しそうな死に顔に。苦しみは、ないか。 (一粒の涙。)